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Law Practice民事訴訟法(第3版) 第6章②

 

  • 補助参加

 補助参加とは、当事者の一方の勝訴について法律上の利害関係を有する第三者が、その当事者を補助して訴訟追行するために訴訟に参加することをいう。

補助参加の要件

 ①他人間の訴訟 ②補助参加の利益(42 条)

 補助参加と判決効

 補助参加訴訟で下された判決は、一定の要件の下で補助参加人にも効力が及ぶ(46 条)。この「効力」は、被参加人敗訴の場合に、参加人・被参加人間にのみ生じる、既判力とは異なる特殊な効力(参加的効力)であると解する。このような参加的効力は、訴訟物である権利関係の存否についての判断だけでなく、判決理由中の判断にも及ぶものと解する。もっとも、あらゆる理由中の判断について生じるのではなく、判決の主文を導き出すために必要な主要事実にかかる認定および法律判断について生じるとされる。

参加的効力の要件

 参加的効力の根拠は、敗訴の結果に補助参加人も加担したということにあるから、参加的効力を生じさせるためには、補助参加人が十分に争う機会を保障されたということが必要となる。このようなことから、46 条各号は除外事由を定めており、参加の時期が遅れたため、一定の訴訟行為をすることができなかった場合(1 号)、被参加人の訴訟行為と抵触したため、補助参加人の訴訟行為が効力を生じなかった場合(2 号)、被参加人が補助参加人の訴訟行為を妨げた場合(3 号)、被参加人が、参加人のすることのできない訴訟行為を故意または過失によってしなかった場合(4 号)には、参加的効力は生じない。

  • 共同訴訟的補助参加

 補助参加のうち、当事者適格はないが判決の既判力が及ぶ団参者の行う補助参加のことを言う。民事訴訟法には明文の規定はないが、解釈論上一般に認められてきた補助参加の態様。40 条を一定程度類推適用することで、補助参加人の権限を強化する。

 → 共同訴訟的補助参加では補助参加人の地位が強化される。

 具体的には、①共同訴訟的補助参加人は、被参加人の訴訟行為と抵触する訴訟行為をすることができる(45 条 2 項は適用されない)。②40 条が類推適用される。たとえば、相手方のある主張について被参加人が自白をし、参加人が争った場合、40 条 1 項が類推適用されるため、自白の効力は生じず、否認の効果は参加人および被参加人の双方に及ぶことになる。その他に、③参加人に中断または中止事由が生じた場合の取扱いについて、45 条 2 項の規律が外れる結果、抵触行為をする機会を与えるべく、訴訟手続は停止する。また、④上訴期間も共同訴訟的補助参加人に送達されたときから独立に計算する(参加人は、被参加人の上訴期間が徒過した後も、自らの上訴期間内であれば上訴することができる)。なお、参加人自身が、訴えの取下げ、請求の放棄、認諾、訴訟上の和解などの訴訟自体を処分する行為をすることはできないとされる。

  • 訴訟告知

 訴訟告知とは、訴訟の係属中、当事者からその訴訟に参加することができる第三者に訴訟係属の事実を法定の方式によって通知することをいう(53 条)。訴訟告知により、被告知者は訴訟に参加して自己の利益を守る機会を与えられるとともに、原告・被告とも手持ち資料が十分でない場合に、当該事件に最も深く関与し、事情を知っている第三者に訴訟参加してもらうというように、裁判資料の収集・充足を目的としてなされることもある。しかし、訴訟告知制度の主要な狙いとしては、被告知者に敗訴の場合の参加的効力(53 条 4 項、46 条)を及ぼすことによって、被告知者に後日文句をいわせないようにすることにある(告知者のための告知)。当事者(告知者)が敗訴すれば、第三者(被告知者)に損害賠償を請求できる見込みがあるとか、第三者から損害賠償の請求を受けるおそれがあるときに、後日の第三者との訴訟で前訴と反対の認定・判断がなされ、再び敗訴して窮地に立つ危険を防止しようとするものである。たとえば、買主が第三者から目的物の追奪請求を受けたときに売主に訴訟告知しておけば、売主が参加してこなくとも、売主に対する担保請求の後訴において目的物の所有権は自分にあったという売主の主張を封ずることができる。あるいは、被告である保証人が主債務者に訴訟告知しておけば、主債務者に対する求償請求の後訴において主債務者の主張を封じ勝訴することができる。

 訴訟告知は、訴訟の係属中になされなければならない(53 条 1 項)。もっとも、事実審に係属中である場合に限られず、上告審に係属中であってもよい。被告知者は、参加することができる第三者でなければならない(53 条 1 項)。参加の形態は、補助参加、独立当事者参加、共同訴訟参加のいずれでもよいとされる。告知者は、当事者にかぎらず、補助参加人、被告知者であってもよい(53 条 1 項、2 項)。

 被告知者は、補助参加をしなかった場合においても、参加することができた時に参加したものとみなされ、それを前提に 46 条により参加的効力の発生が判断される(53 条 4 項)。補助参加することができたことが参加的効力発生の前提であるから、被告知者が告知者側に補助参加する利益を有することが要求される。

 告知者と被告知者との間の実体関係については、伝統的な通説は補助参加の利益で足りるという立場を採用しているが、有力説は、これに加えて、被告知者による告知者に対する協力が正当に期待できることが必要であるとする。

  • 独立当事者参加

  独立当事者参加とは、第三者が、当事者の一方または双方に対して請求を定立し、その請求と既存の請求とを併合審判に付すための参加形態をいう。

・独立当事者参加の要件

①「訴訟の結果によって権利が害されることを主張する」(47 条 1 項前段)場合=詐害防止参加;47 条 1 項前段の趣旨は、第三者に詐害的訴訟を防止する手段を与えることにある。そこで、「訴訟の結果によって権利が害される」とは、当事者の訴訟追行の外形的態様から十分な訴訟活動の展開が期待できないと判断できる場合をいうものと解する。 ※ たとえば、債権者が保証人を訴えて、そこで馴れ合いが生じているときに主債務者は詐害防止参加をすることができるとされる。この場合、保証人敗訴の判決が主債務者に法的に及ぶことはないが、求償訴訟を提起されるかも知れず事実上は不利益が生じるため、詐害防止参加をすることができる。

②「訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であることを主張する」(47 条 1 項後段)場合=権利主張参加といわれる。;権利主張参加は、参加人の請求が本訴の請求と論理的に両立しない関係にある場合にすることができる。そして、論理的に両立しえないという権利主張参加の要件は、参加人の請求の趣旨レベルで判断する。ここでいう請求の趣旨レベルでというのは、判決内容の実現可能性の次元まで含めて両立不可能性を判断する。 ※ たとえば、不動産が二重譲渡された事例で、X による Y に対する所有権移転登記手続請求訴訟に、Z が売主 Y には移転登記手続請求を、X には所有権確認請求を立てて参加していくことは権利主張参加として適法であるとされる。すなわち、狭義の訴訟物の次元で両立不可能性を考えると、X が主張する移転登記請求権との主張する移転登記請求権は、実体法上は、双方が同時に認められてもよいとされるのであるから、論理的に両立しない関係にあるとはいえない。しかし、請求の趣旨レベルで見ると、「Y は X に対して移転登記手続をせよ」という判決と「Y は Z に対して移転登記手続をせよ」という判決がなされた場合、同一不動産の登記は、X か Z のどちらかにいくのであるから、XY 請求と ZY 請求は請求の趣旨レベルでは論理的に両立しないといえる。

 

 

・上訴

 独立当事者参加においては、合一確定の要請から、一人の上訴により、全判決の確定が遮断され、上級審に移審すると解されている。その場合、上訴しなかった者の地位はどうなるか。この点について、上訴しなかった当事者が上訴人とされてしまうと、上訴した者は単独で上訴を取り下げることができなくなってしまい(40条1項準用)、上訴当事者の意思に反する。また、争う意思なく主体的に上訴しなかった者を上訴人とすることは、その者の意思に反する。さらに、敗訴した場合には、上訴費用を負担すべきこととなるが、これは不当である。そこで、40条2項準用により、上訴しなかった者は被上訴人にとどまるものと考える。

 では、独立当事者参加がなされ、一審判決がなされた後、当事者の一人が上訴しなかった場合、上訴審で、敗訴部分をこの者に有利に変更することはできるか。たしかに、上訴しなかった者は被上訴人になると解され、この者に有利な判決をすることは不利益変更禁止の原則に反し、できないようにも思える。しかし、このように解すると、合一確定により、多面的紛争を一挙に矛盾なく解決しようとした独立当事者参加制度の趣旨に反するおそれがある。そこで、不利益変更禁止の原則が合一確定の要請から修正され、上訴審は、合一確定に必要な限度で上訴しなかった者の敗訴部分をこの者の有利に変更することができると考える。

  • 訴訟脱退(48 条)

 訴訟脱退とは、独立当事者参加のあったことを契機に本訴当事者の一方、すなわち原告または被告が、もはや訴訟活動を続ける必要はないとして、訴訟活動から降りることをいう。

 脱退によって、脱退者の訴訟追行の余地はなくなり、訴訟は参加人と残存当事者間の攻防のみの二当事者対立構造に還元されるが、脱退の性質がどのようなものであり、脱退者にどのような性質および内容の効力が及ぶかについては、議論がある。伝統的な通説は、脱退は自己の立場を全面的に参加人と相手方との間の勝敗の結果に任し、これを条件として、参加人および相手方と自分との間の請求について予告的に放棄または認諾をする性質をもつ訴訟行為(条件付きの放棄認諾)と捉える。その上で、脱退者に及ぶ効力を、いずれかが勝訴することによって現実化された放棄または認諾に基づく効力であると説明する。

  • 訴訟承継

 当然承継とは、当事者の死亡など一定の承継原因が生じれば、当事者の承継が法律上当然にあったとされる場合をいう。それに対して、参加承継・引受承継は、係争物の譲渡や債務引受など、当事者の特定の権利義務関係が第三者に承継される場合(特定承継)に利用される訴訟承継の手段である。参加承継は、承継人の側から積極的に従前の訴訟の結果を引き継ぐために利用される手続であり、引受承継は、相手方当事者の側で承継人に従前の訴訟の結果を引き継がせるための手続である。
 訴訟の承継があれば、承継人すなわち新当事者は旧当事者が追行した訴訟の結果をそのまま承継することになり、その結果に拘束される。時効完成猶予・期間遵守の効力は維持され(49条)、従前の弁論や証拠調べの結果は新当事者を拘束する。新当事者は自白の撤回を自由にすることができず、すでに時機に後れた攻撃防御方法は提出することができない。以上の効果は、当然承継と参加承継・引受承継についてひとしく生じる。

  • 当然承継

 当然承継の原因を直接定めた条文はないが、主として訴訟手続の中断と受継に関する法規(124 条以下)から推知される。すなわち、当然承継の原因が生じ、当然に当事者が変動するときには、新当事者の裁判を受ける権利を保障するために訴訟手続を中断させて、新当事者の手続の受継により、あらためて手続を続行させるのが通常であるので、訴訟手続の中断事由を定める規定を手掛かりとすることで、当然承継の原因を探ることができる。

  • 参加承継・引受承継

 参加承継・引受承継は当然承継とは異なって、承継人の訴訟参加の申立て(49 条)または従来の当事者の相手方の訴訟引受けの申立て(50 条)によって、はじめて訴訟の承継が行われるものである。参加承継・引受承継の原因は、訴訟の目的である権利・義務を第三者が承継したといえる場合(係争物の譲渡があった場合)であり、文言の解釈は基本的に 115 条 1 項 3 号の口頭弁論終結後の承継人の解釈に準じる。

 参加承継の場合は、参加の方式も参加形態も独立当事者参加になるので、47 条 4 項による 40 条 1 項~3 項の準用により、必要的共同訴訟の手続法理が妥当する。これに対して、引受承継の場合は、従前の当事者間の訴訟に引受申立人(承継人の相手方)と引受人(承継人)との間の訴訟が共同訴訟の形で追加されたことになるので、構造上も審理原則上も独立当事者訴訟にはならず、共同訴訟(通常共同訴訟)になるにとどまる。もっとも、両訴訟は実体法上両立しない関係にあるので、同時審判の申出がなされた共同訴訟と同様の法理が準用され(50 条 3 項、41 条 1 項、3 項)、弁論の分離、一部判決が禁止され、その限りで審理の足並みが統一されることになる。

 

 ***

 
第1 基本問題44 補助参加の利益

1 機体の製造者 B および設計者 C、さらには同じ事故で死亡した D の遺族 E は、それぞれ、本件訴訟に補助参加(42 条)できるか。

2 補助参加とは、他人間の訴訟の結果につき利害関係を有する第三者が、当事者の一方を勝訴させることによって、間接的に自己の利益を守るために、当該訴訟に参加する形態をいうところ、係属中の訴訟において第三者が一方当事者のために補助参加するについては、「訴訟の結果について利害関係を有する」者である必要がある(42条)。

(1) 補助参加人の法的利益の保護という補助参加の趣旨からは、参加を広く認める必要がある。それゆえ、「訴訟の結果」とは、主文の結果に限らず、判決理由中の判断も含むと解する。もっとも、「利害関係を有する第三者」を単なる感情的理由や事実上の利害関係を有するにとどまる者についての参加を認めると訴訟が複雑化してしまうので、それを防止する必要がある。そこで、「利害関係を有する第三者」とは、専ら訴訟の結果につき法律上の利害関係を有する者に限られるものと解すべきである。そして、当該訴訟の判決が参加人の私法上または公法上の法的地位又は法的利益に事実上の影響を及ぼすおそれがある場合には、法律上の利害関係を有するといえると考える。

(3) 本件訴訟では機体の構造欠陥が問題となっており、製造者である B および 設計者である C は、事故原因が機体の構造的欠陥にあるとの判断で Y が敗訴すると、後に Y が B 及び C に求償することができるという意味で、当該訴訟の判決が参加申出人の私法上の法的地位に影響を及ぼすおそれがあるといえる。したがって、B および C は、「訴訟の結果について利害関係を有する」第三者として補助参加の利益が認められるので、本件訴訟に補助参加をすることができる。

 他方で、同じ事故で死亡した D の遺族 E については、当事者の一方である X と同様の地位・境遇にあるというだけで、当該訴訟の判決が E の私法上または公法上の法的地位に影響を及ぼすおそれがあるとはいえない。したがって、E は、「訴訟の結果について利害関係を有する」第三者とはいえず、補助参加の利益が認められない。

3 よって、B,Cは本件訴訟に補助参加をすることができるが、Eについてはできない。

第2 基本問題45 参加的効力

1 本件では、A 社の Y に対する本件貸室の明渡しと賃料相当損害金の支払を求める訴訟において、X は補助参加の申出をし(43 条)、本件建物は X の所有であることを主張して Y の勝訴ために訴訟行為をしたところ(45 条、42 条)。結局、その主張は認められず、 Y 側が敗訴し、判決が確定している。そこで、Y は、X の XY 賃貸借契約に基づく賃料と賃料相当損害金の支払いを求める訴えにおいて、YA 判決の効力により X の請求は認められないと主張することはできるか。

2 補助参加人に対する判決の「効力」をいかに解するかが問題となる。

 そもそも、補助参加人は、被参加人を勝訴させることで自己の法的利益を貫徹すべく、被参加人とともに訴訟追行しているのであるから、補助参加人は、被参加人とともに訴訟追行した以上、公平・禁反言(2条)の理念から、敗訴責任を分担すべきである。そこで、「効力」とは、①被参加人負訴の場合に、補助参加人・被参加人間で、前訴判決を争えないとする特殊な効力をいうと考える。そして、敗訴責任の公平分担の見地から、②主文のみならず判決理由中の判断にも参加的効力が及ぶと考えるが、あらゆる理由中の判断について生じるとすると広範にすぎるので、③判決の主文を導き出すために必要な主要事実にかかる認定及び法律判断についてのみ生じると考える。

 本件についてみると、既述の通り、Xが補助参加したY訴訟においてYは敗訴している(①)。また、本件建物所有権は、勝敗を決する重要争点であるとともに X にとって重大な利害関係を有する事項で、訴訟の初期の段階から十分に主張・立証の機会が付与されており、その結果、裁判所は、本件建物所有権は A にあるものと判断している。そして、本件建物所有権が A にあることは、判決の主文を導き出すために必要な主要事実にかかる認定であり、判決理由中の判断といえるため、ここに参加的効力が生じていることになる(②③)。

3 したがって、Y は、X の XY 賃貸借契約に基づく賃料と賃料相当損害金の支払いを求める訴えにおいて、YA 判決の効力により X の請求は認められないと主張することができる。

第3 発展問題21 訴訟告知

1 Yは、債権者 X の保証人 Y に対する保証債務に基づく本件支払請求訴訟において、Z に対して訴訟告知(53 条 1 項)を行ったところ、訴訟告知を受けた Z は、本件訴訟に参加することのないまま、Y の敗訴判決が確定している。このような場合にも、後にY が Z に対して求償請求の訴えを提起した場合に、Z は主債務の存否を争うことができなくなるのか。

(1) ここで、訴訟告知とは、訴訟係属中に当事者から参加できる第三者に対して、訴訟係属の事実を法定の方式で通知することをいう(53 条 1 項)ところ、この訴訟告知の結果、被告知者が補助参加 (42 条)しなくとも、告知者・被告知者間に「効力」が生じることになる(53 条 4 項、46 条)。

 そして、46 条の趣旨は、参加人が被参加人と協同して訴訟を追行した以上、補助参加人に対する判決効は、敗訴の責任を衡平に分担すべきという点にある。また、46 条各号は補助参加人に対する「効力」について種々の制約を付しており、さらに、53 条 4 項が訴訟告知を受けたにすぎない者についても「効力」の発生を認めていることに鑑みれば、「効力」を既判力と解するのは妥当でない。そこで、補助参加人に対する判決の「効力」は、被参加人敗訴の場合に、参加人・被参加人間にのみ生じる、 既判力とは異なる特殊な効力(参加的効力)であると解すべきである。そして、このような参加的効力は、訴訟物である権利関係の存否についての判断だけでなく、判決理由中の判断 にも及ぶものと解すべきであるところ、本件では、X の Y に対する保証債務に基づく支払請求訴訟において、主債務の存在は判決の主文を導き出すために必要な主要事実にかかる認定および法律判断であるから、判決理由中の判断として、主債務の存在という点につき参加的効力が生じることになる。

(2) では、このような参加的効力は、Zに及ぶか。

 これについては、補助参加することができたことが参加的効力発生の前提であるから被告知者が告知者側に補助参加する利益を有することが必要であると解すべきである。また、参加的効力の根拠は、実際に訴訟追行した参加人も被参加人とともに敗訴の責任を負担するのが衡平であるという点に求められるのであるから、実際に参加していない被告知者に参加的効力を及ぼすためには、それを正当化するさらなる理由が必要であるというべきであるところ、告知者と被告知者との間には、補助参加の利益に加えて、被告知者による告知者に対する協力が正当に期待できる関係が必要であると解する。

 本件についてみると、まず、「訴訟の結果について利害関係を有する」者とは、主文の結果のみならず判決理由中の判断も含む「結果」について、法律上の「利害関係」を有する者をいうところ、主債務者である Z は、問題なくこの「第三者」であるといえる。よって、補助参加の利益(42 条)が認められる。

 そして、保証人である Y から訴訟告知を受けた主債務者 Z は、Y が敗訴した際には求償に応じなければならないことから、Y と Z の関係は、告知者が敗訴した場合、それを直接の原因として告知者が被告知者に対して求償ないし賠償を求めることができるような実体関係がある場合ということができる。したがって、本件では被告知者 Z による告知者 Y に対する協力が正当に期待できる関係であったということができる。

(3) 以上より、本件では、YZ 間に訴訟告知による参加的効力が生じるので、後日、Y が Z に対して求償請求の訴えを提起した場合に、Z は主債務の存否を争うことはできない。

2 では、Y が、Z が主債務者であるという認識に基づいて Z に対して訴訟告知をしたところ、Z 自身は、自分は単に Y による借入れを仲介したにすぎないと考えて、参加しなかったという場合に結論に違いはあるか。

 このような場合には、参加的効力は発生しないとし、当事者の認識によって参加的効力が発生したりしなかったりしたとすれば、訴訟告知に基づく参加的効力の実効性は著しく損なわれる結果となってしまう。また、参加的効力が発生するのは、告知者が相応の訴訟追行をしたにもかかわらず敗訴したという場合であろうから、参加的効力が発生することはやむをえない。また、このような事態を防ぐために、被告知者は、事実上、補助参加をした上で、抵触行為を行い(45 条 2 項)、参加的効力の発生を防止する (46 条 2 号)などできたのである。

 よって、設問後段の場合であっても、設問前段と場合と結論は異ならないというべきである。

第4 基本問題46 独立当事者参加

1 Z は XY 間の訴訟に独立当事者参加(47 条 1 項後段、権利主張参加)することはできるか。

2 本件では、「訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であることを主張する」場合にあたるかが問題となる。

 ここで、権利主張参加は、参加人の請求が本訴の請求と論理的に両立しない関係にある場合にすることができる。そして、請求が論理的に両立しない関係にあるかどうかは、請求の趣旨レベルで論理的に両立しないかどうかを判断すべきと解する。

 本件についてみると、請求の趣旨レベルで見ると、「Y は X に対して移転登記手続をせよ」という判決と「Y は Z に対して移転登記手続をせよ」という判決がなされた場合、同一不動産の登記は、Xか Z のどちらかにいくのであるから、XY 請求と ZY 請求は請求の趣旨レベルでは論理的に両立しないといえる。

 したがって、「訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であることを主張する」場合にあたる。

3 よって、Z は XY 間の訴訟に独立当事者参加をすることができる。なお、このような結論は、Z が X に対して家屋所有権確認請求を立てている場合でも異ならないというべきである。

第5 基本問題47 訴訟承継の範囲

1 本件訴訟は手続を続行できるか。

(1) 当事者が死亡した場合、その地位は相続人に当然に承継される。

 そして、当事者が変動するときは、新当事者の裁判を受ける権利を保障するため訴訟手続は中断し(124 条 1 項本文)、新当事者の受継の申立て(124 条 1 項各号・126 条)と裁判所による受継の裁判(128 条)、または、裁判所による続行命令(129 条)により新当事者等の新追行者が訴訟手続を受け継いで追行することになる。

 もっとも、訴訟代理人がいる場合、訴訟代理人がそのまま手続を続行するため、中断・受継の手続を踏まなくてもよい(124 条 2 項)。

(2) よって、Y に訴訟代理人がおらず、Y の死亡が判明したような場合には、Y の相続人が訴訟承継をするべく自ら受継を申し立てるか、相手方である X が申し立てるか、裁判所が続行命令を出すことになる。

(3) 他方で、Y に訴訟代理人がおり、Y 死亡の事実を知るときは、改めて Y の相続人から委任を受けて、以後は相続人の名で手続を進めるべきである(規則 52 条)。

2 次に、本件では、第 1 審係属中に、Y 死亡前に建物を Z に賃貸している。そこで、本件建物は Z が占有していることから、引受承継(50 条)、参加承継(51 条前段、49 条)は認められないかが問題となる。

(1) 訴訟物である権利関係やその基礎をなす実体関係の変動により紛争主体が変わる場合に、それを訴訟手続に反映させて既存の訴訟の枠内で紛争を解決しようとすることが訴訟承継制度の趣旨であることからすれば、承継人とは、広く紛争主体たる地位を承継した者をいうものと解する。

(2) 本件についてみると、土地賃借人である Y が契約の解除に基づいて土地賃貸人である X に対して負担する本件建物の収去義務は、建物から立ち退く義務を包含するものであり、当該建物収去義務の存否に関する紛争のうち、建物からの退去にかかわる部分は、第三者である Z が土地賃借人である Y から係争建物の一部および建物敷地の占有を承継することによって、Zの X に対する退去義務の存否に関する紛争という形態で移行し、Z は Y から当該紛争たる地位を承継した者ということができる。また、実質的にも、Z の占有の適否ないし土地賃貸人である X に対する退去義務の存否は、土地賃借人である Y の主張とこれを支える訴訟資料に依存するとともに、他面において、土地賃貸人である X 側の訴訟資料によって否定されうる関係にあるので、従前の訴訟資料を利用し、争いの実効的な解決を図ろうとする要請は、正当なものとして認められる。したがって、このような訴訟法的観点からも Z を紛争主体たる地位を承継した者とみるべきである。

(3) よって、Z は Y から紛争主体たる地位を承継した者といえるため、引受承継、参加承継が認められる。

3 以上より、本件では、旧当事者 Y への訴訟は当然承継により Y の相続人に承継されるし、X は Z に対して訴訟引受の申立てもでき、さらには、Z から参加承継をすることもできる。

第6 基本問題 48 訴訟承継の効果

1 本件では、X の Y に対する建物収去土地明渡しを求める訴訟の係属中、Y は建物を Z に譲渡し、現在 Z が本件建物を占有している。このような場合に、X は Z に訴訟を引き受けさせる(50条)ことはできるか。

 訴訟物である権利関係やその基礎をなす実体関係の変動により紛争主体が変わる場合に、それを訴訟手続に反映させて既存の訴訟の枠内で紛争を解決しようとすることが訴訟承継制度の趣旨であることからすれば、ここでいう「承継人」とは、広く紛争主体たる地位を承継した者をいうものと解する。

 本件についてみると、訴訟係属後、Y は建物を Z に譲渡し Z が占有しているというのであるから、係争物の譲渡が認められ、紛争主体たる地位を Z は承継している。

 したがって、X は Z に訴訟を引き受けさせることができる。

2 それでは、Z の訴訟承継が認められた場合、前主である Y が X の土地所有権を自白していたとき、Z は X の所有権を争うことはできるか。

 そもそも、訴訟承継の趣旨は、紛争の主体たる地位が訴訟外で変動することに対応して、その争いにつき既に形成された訴訟状態を新たな主体との争いにも通用せしめることで、紛争解決の実効性を確保しつつ、当事者間の公平を図ることにある。
 そこで、承継した時点までにおけるすべての訴訟状態を引き継ぐものと考える。

3 したがって、Z は X の土地所有権を争うことができない。なお、馴れ合い的になされた訴訟行為は、信義則(2条)に反する訴訟行為であるから無効であり、承継人は、かかる訴訟行為によって形成された訴訟状態に拘束されないと解することができるが、本件においてはそのような事情はないというべきである。