○○法ガールになりたい。

○○法ガールといえるほど法学をマスターしたいなと思い作成したブログ。司法試験受験生。最近勉強なんてやめて結婚に逃げたい。

百選起案 憲法(7版) 5~8

百選5 外国人の社会保障

1 意見の要旨

 廃疾認定日に日本国民でない者に障害福祉年金を支給しないとする国民年金法56条1項ただし書(以下「国籍条項」という。)は、Xら外国人の生存権(25条1項)を侵害するものではない。それゆえ、この国籍条項に基づき行われた本件の障害福祉年金裁定請求を棄却する処分(以下「本件処分」という。)も、適法であると解すべきである。

 また、国籍条項は憲法14条1項に反するものでもなく、本件処分も同項には反しない。

2 25条1項違反の検討

(1)  外国人の享有主体性

 人権には前国家的性格を有するものもあるし、憲法は国際協調主義(前文第3段、98条2頂)を採っているから、外国人であるというだけで、直ちに憲法上の権利の保障が及ばないとすることはできない。しかし、ひとくちに人権といってもその内容は様々である。そこで、基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、我が国に在留する外国人に対しても等しく及ぶと解すべきである。

(2) 生存権の性質

 25条1項は、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」、すなわち、生存権を保障している。そして、生存権は個人の生活の基礎を確立するために重要な権利であることから、単なるプログラム規定と解するのは妥当でなく、権利性を肯定すべきである。ただし、25条1項の規定の文言の抽象性及び富の再配分による政策的な判断の不可欠性に鑑みれば、これを具体化する生活保護法のような法律が制定されてはじめて、憲法と法律により一体的に、生存権という具体的な権利を保障されることになるものと解される。

(3) 生存権を具体化する国籍条項の合憲性

 以上に鑑みれば、外国人の生存権の具体的権利性は、外国人を対象とする生存権を具体化する立法がなされた場合にはじめて、認められるものである、ということになる。そうであれば、障害福祉年金を受給する権利を生存権の一環として具体的に保障する旨定めた国籍条項が、外国人をその対象から除外し、外国人に対してはこの具体的な権利を保障しなかったからといって、外国人の生存権が侵害されたということには、およそなり得ないのではないかとも思える。

 しかし、生存権は個人の生活の基礎を確立するために重要な権利であることに鑑みれば、生存権を具体化する立法は、憲法25条1項の趣旨を実現するよう、制定・解釈されなければならない。そうであるとすれば、憲法25条1項の趣旨に反するような立法は違憲とすべきである。とはいえ、憲法25条の規定の趣旨を現実の立法として具体化するにあたっては、国の財政事情を無視することができないし、多方面にわたる複雑多様な考察とそれに基づいた政策的判断を必要とする。そうであるとすれば、生存権を具体化する立法にあたっては、立法府に広い裁量が認められるものと解すべきである。よって、生存権を具体化する立法は、それが著しく合理性を欠き、明らかに裁量の逸脱濫用があったと見ざるを得ないような場合に限り、その合憲性が否定されるものと解すべきである。

 これを本件について見ると、社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するかについては、国は、特別の条項の存しない限り、その政治的判断によりこれを決定することができるのであり、その限られた財源の下で福祉的給付を行うにあたり、自国民を在留外国人よりも優先的に扱うことも許される。したがって、障害福祉年金の支給対象者から在留外国人を除外することは、著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用と見ざるを得ないような場合にはあたらない。

 よって、国籍条項は、生存権を侵害ずるものではないから有効である。

(4) また、そうである以上、これに基づく本件処分も適法と解すべきである。よって、本件処分は、取り消されるべきものではない。

3 14条1項違反の検討

(1) 憲法14条の性質等

 「法の下の平等」を定める憲法14条1項は、事柄の性質に応じた合理的な理由がない限り、差別的取り扱いを禁止する趣旨である。したがって、別異取り扱いが合理性を有する限り同項に違反するものではない。

 そして、その合理性審査の密度については、差別の基礎事由や、被侵害利益、裁量の広狭等を考慮して、決定すべきであるところ、まず、本件区別の理由は、外国人であるかどうかによるものであるから、本件別異取り扱いは、後段列挙事由である、「人種」に基づくものである。また、区別によって生じる不利益は、障害福祉年金を受給することができなくなるといったもので、比較的大きいといえる。もっとも、上記の通り、生存権を具体化する立法については立法府に広い裁量が認められるものと解されることからすれば、本件の別異取り扱いの合理性は、緩やかに判断することで足りるというべきである。具体的には、立法目的及び立法目的を達成するための手段が著しく不合理でない限り、憲法14条に反しないものであると解すべきである。

(2) 具体的検討

 国籍条項の立法目的は、生存権の保障を具体的なものとすることにあると解されるところ、この目的は合理的であるといえる。また、このような目的のもと、日本国民のみをその対象とし、外国人をその対象から除外することとした国籍条項の規定も、上記の通り、限られた財源の下で福祉的給付を行うにあたり、自国民を在留外国人よりも優先的に扱うことも許されるべきである以上、不合理であるとは言えない。そうである以上、国籍条項によって生じる外国人についてのみ生じる取扱いの差異には、合理的根拠があるといえる。

(3) 結論

 よって、国籍条項は、憲法14条に違反するものではない。また、これに基づきなされた本件処分も適法というべきであって、本件処分は取り消されるべきではない。

 

百選6 台湾住民元日本兵船死傷者の損失補償

1 意見の要旨

 旧軍人軍属に対して、年金等を支給する旨定めた戦傷病者戦没者遺族等援護法及び、恩給の支給について定めた恩給法は、日本国籍を有しない者及び日本国籍を離脱した者をその対象から除外しているものの、この条項(以下、「国籍条項」という)は、憲法14条1項、29条3項に違反するものではない。また、そうである以上、国会に立法不作為の違法はない。

2 14条1項違反の検討

(1) 憲法14条の性質等

 「法の下の平等」を定める憲法14条1項は、事柄の性質に応じた合理的な理由がない限り、差別的取り扱いを禁止する趣旨である。したがって、別異取り扱いが合理性を有する限り同項に違反するものではない。

 そして、その合理性審査の密度については、差別の基礎事由や、被侵害利益、裁量の広狭等を考慮して、決定すべきであるところ、まず、本件区別の理由は、外国人であるかどうかによるものであるから、本件別異取り扱いは、後段列挙事由である、「人種」に基づくものである。また、区別によって生じる不利益は、年金等を受給することができなくなるといったもので、比較的大きいといえる。

 もっとも、「戦争犠牲ないし戦争損害は、国の存亡にかかわる非常事態のもとでは、国民の等しく受忍しなければならなかったところであって、これに対する保障は憲法の全く予想しないところというのであって、右のような戦争犠牲ないし戦争損害に対しては単に政策的見地からの配慮が考えられるにすぎない」ものである。それゆえ、戦争犠牲ないし戦争損害に配慮して年金、恩給等を支給する旨の立法に当たっては、立法府に広い裁量が認められるものというべきである。

 以上に鑑みれば、本件の別異取り扱いの合理性は、緩やかに判断することで足りるというべきである。具体的には、立法目的及び立法目的を達成するための手段が著しく不合理でない限り、憲法14条に反しないものであると解すべきである。

(2) 具体的検討

 国籍条項の立法目的は、戦争犠牲ないし戦争損害に対して配慮することにあるところ、これは合理的であるといえる。また、「台湾住民である軍人軍属が対象外とされたのは台湾住民の請求権の処理は、日本国との平和条約及び日華平和条約により日本国政府中華民国政府との特別取極の主題とされたことから、台湾住民である軍人軍属に対する補償問題もまた両国政府の外交交渉によって解決されることが予定されたことに基づくものと解されるのであり、そのことには十分な合理」性が認められる。

 そうである以上、国籍条項によって生じる外国人についてのみ生じる取扱いの差異には、合理的根拠があるといえる。

(3) 結論

よって、国籍条項は、憲法14条に違反するものではない。

3 29条3項違反の検討

(1) 29条3項の趣旨・性質

 29条3項の趣旨は、公平の理念及び財産権保障の貫徹にあるものと考えられる。そこで、「特別の犠牲」と言えるかどうかは、その対象が一般的であるか特別的かという形式的基準、及び、制約が財産権の内在的制約を超え、本質的内容を侵害するほど強度のものといえるかどうかという実質的基準の2つにより判断されるべきである。 ※ そして、同条項は救済規定である以上、具体的な請求権を定める法律が存在しない場合であっても、同条項を直接の根拠として補償請求ができるものと考える。このように考えても、生存権とは異なり、補償額の認定は客観的判断により可能であるため、裁判所にその額を認定させても不都合はない。

(2) 具体的検討

 そうすると、「戦争犠牲ないし戦争損害は、国の存亡に係わる非常事態の下では、国民の等しく受忍しなければならなかったところ」であることからすれば、憲法29条3項等の規定を適用する前提を欠くに帰するというべきである。すなわち、戦争犠牲ないし戦争損害に対する補償は、「憲法の全く予想しないところというべきであり、…単に政策的見地からの配慮が考えられるにすぎない」というべきである。

(3) 結論

 よって、国籍条項は憲法29条3項に反するものでもない。

4 以上の通り、国籍条項は、憲法14条1項、29条3項に違反するものではない。また、そうである以上、国会に立法不作為の違法もないというべきである。

 

百選7 韓国人戦争犠牲者補償

1 意見の要旨

 Xらの、①軍人軍属関係の者らが被った損失、或いは、軍隊慰安婦であったがゆえに被った損失に関する、国に対する損失補償(29条3項)の請求は認められない。また、これを認めないこととする措置法も、29条3項、17条に反するものではない。さらに、②いわゆる国籍条項は憲法14条1項に違反し無効であるとしたうえでの補償請求についても認められないというべきである。(そうである以上、③補償立法の不存在につき、立法不作為の違法はないため、国家賠償請求も認められないというべきである)。

2 ①について

ア 損失補償請求について

(ア) 29条3項の趣旨・性質

 29条3項の趣旨は、公平の理念及び財産権保障の貫徹にあるものと考えられる。そこで、「特別の犠牲」と言えるかどうかは、その対象が一般的であるか特別的かという形式的基準、及び、制約が財産権の内在的制約を超え、本質的内容を侵害するほど強度のものといえるかどうかという実質的基準の2つにより判断されるべきである。

 そして、問題となる損失が、「特別の犠牲」といえるとされた場合には、具体的な請求権を定める法律が存在しない場合であっても、同条項を直接の根拠として補償請求ができるものと考える。このように考えても、生存権とは異なり、補償額の認定は客観的判断により可能であるため、裁判所にその額を認定させても不都合はないためである。

(イ) 具体的検討

 そうすると、「戦争犠牲ないし戦争損害は、国の存亡に係わる非常事態の下では、国民の等しく受忍しなければならなかったところ」であることからすれば、憲法29条3項等の規定を適用する前提を欠くに帰するというべきである。すなわち、戦争犠牲ないし戦争損害に対する補償は、「憲法の全く予想しないところというべきであり、…単に政策的見地からの配慮が考えられるにすぎない」というべきである。

 また、いわゆる軍隊慰安婦関係の者が被った損失は、憲法施行前の行為によって生じた物であるから、そもそも、憲法29条3項が適用されない。

(ウ) 結論

 よって、Xらは、29条3項に基づき、損失補償を請求することができない。

イ 措置法の合憲性について

 また、「第二次世界大戦の敗戦に伴う国家間の財産処理といった事項は,本来憲法の予定しないところであり,そのための処理に関して損害が生じたとしても,その損害に対する補償は,戦争損害と同様に憲法の予想しないものというべきであ」り、「単に政策的見地からの配慮が考えられる」だけのものにすぎないというべきである。すなわち、「国家間の財産処理」により生じた「損害」に関しても、憲法29条3項等の規定を適用する前提を欠くと考えるべきである。また、憲法17条についても同様に考えるべきであろう。

 よって、措置法の規定が、憲法29条3項、17条に反するものということもできない。

2 ②について

(1) いわゆる国籍条項は、日本国籍を有しない外国人を、援護法、恩給法の適用から除外している。そこで、この国籍条項が14条に反し無効とされるのであれば、Xらは、この補償を国に対して求めうるはずである。

(2) そこで、②の請求が認められるか否かの判断に当たっては、まず、本件の、いわゆる国籍条項が憲法14条1項に反しないかについて検討する必要がある。

ア 「法の下の平等」を定める憲法14条1項は、事柄の性質に応じた合理的な理由がない限り、差別的取り扱いを禁止する趣旨である。したがって、別異取り扱いが合理性を有する限り同項に違反するものではない。そして、その合理性審査の密度については、差別の基礎事由や、被侵害利益、裁量の広狭等を考慮して、決定すべきである。

 「援護法、恩給法は、国家補償の精神に基づき、日本国の軍人軍属等として傷病又は死亡の戦争被害を被った個人に対し、その補償を行っているところ、援護法は戸籍法の適用を受けない者につきその適用から除外し(同法附則二項)、日本国籍を失った時には障害年金を受ける権利が消滅する旨規定し(同法一四条一項二号)、恩給法は援護法と同様に国籍による権利消滅を規定している一同法九条一項三号。以下これらの規定を総称して「国籍条項」という。)」。このような区別は、外国人であるかどうかによるものであるから、本件別異取り扱いは、後段列挙事由である、「人種」に基づくものである。また、区別によって生じる不利益は、年金、恩給等を受給することができなくなるといったもので、比較的大きいといえる。もっとも、上記の通り、戦争犠牲ないし戦争損害に対する補償は、「憲法の全く予想しないところというべきであり、…単に政策的見地からの配慮が考えられるにすぎない」というべきであり、戦争犠牲ないし戦争損害を穴埋めする立法については立法府に広い裁量が認められるものと解されることからすれば、本件の別異取り扱いの合理性は、緩やかに判断することで足りるというべきである。具体的には、立法目的及び立法目的を達成するための手段が著しく不合理でない限り、憲法14条に反しないものであると解すべきである。

イ 国籍条項の立法目的は、戦争犠牲ないし戦争損害の穴埋めをすることにあると解されるところ、この目的は合理的であるといえる。また、日本国籍を有しない外国人が援護法、恩給法の「適用から除外されたのは、これらの人々の請求権の処理は平和条約により日本国政府と朝鮮の施政当局との特別取極の主題とされたことから、上記旧軍人に対する補償問題もまた両政府間の外交交渉によって解決されることが予定されたことに基づくものと解されるのであり、そのことには十分な合理的根拠があるというべきである」。そうである以上、国籍条項によって生じる外国人についてのみ生じる取扱いの差異には、合理的根拠があるといえる。

ウ それゆえ、いわゆる国籍条項は、憲法14条に違反するものではない。

(3) よって、Xらは、補償請求をすることができない。

 

百選8 八幡製鉄事件

1 意見の要旨

 本件の、Y1,2による政治献金は、①法人にも保障される政治献金の自由に基づくものであり、会社の目的の範囲(民法34条)内の行為であるといえるから、有効というべきであり、また、②従業員であるXらの思想良心の自由を侵害するものではないから、公序良俗民法90条)に反さないものとして、この観点からも有効である。よって、Y1,2に任務懈怠責任の問題は生じない。(※ さらに、Xらとしては、③「本件政治献金は、その額が不相当であり、役員の善管注意義務ないし忠実義務違反がある」と主張し、やはり任務懈怠責任を追及することが考えられるが、これも認められないというべきである。)

2 ①について

(1) 法人の人権享有主体性について

 法人は社会に不可欠な構成要素として自然人とともに社会的実在として扱われるものであるから、法人にも権利の性質上可能な限りの人権の享有主体性が認められるものと解すべきである。

 そして、政党は国民の政治意思を形成する最も有力な媒体であることに鑑みれば、政党への政治献金により、政党の健全な発展に協力することは、法人についても社会的実体として当然に期待される行為であるといえるため、憲法21条1項によって政治的表現行為の一環として保障されるべき政治献金の自由は、権利の性質上、法人にも認められるものであるといえる。

(2) 「目的の範囲内」の行為であるか否かについて

 以上に鑑みると、政治献金行為を、会社の定款所定の目的の範囲内の行為とすることは、当然可能である。

 そして、取引の安全の見地からは、法人の「目的の範囲内」の行為は、定款に記載された目的自体に限定されるものではなく、「目的の範囲内」の行為には、その目的を遂行するうえで直接または間接に必要な行為まで包含されると解すべきであり、その判断は、当該行為の客観的な性質に即し、抽象的に判断すべきであるところ、いかなる政党に政治献金をするか否かは、選挙における投票の自由と表裏をなすものとして各人が自主的に決定すべき事柄であるのであって、会社には、さまざまな思想・信条及び主義・主張を有する者が存在することが当然に予定されているのであるから、政治献金行為が「目的の範囲内」の行為として許容されるか否かの判断に当たっては、その構成員の思想・信条との関係での考慮が不可欠となる。もっとも、会社は、司法書士会や税理士会といった脱退の自由が実質的に保障されていない強制加入団体とは性質が異なるのであるから、政治献金行為が「目的の範囲」内の行為であるといえるかの判断に当たってなされる、その構成員の思想・信条との関係での配慮の必要性は、それほど必要がない。そこで、法人のうちでもとりわけ会社の政治献金行為は、客観的・抽象的に見て、会社の目的を遂行するうえで直接ないしは間接に必要な行為といえ、「目的の範囲内」の行為であるというべきである。

(3) 結論

 よって、本件政治献金は、無効とは言えない。

2 ②について

(1) 憲法19条は、思想良心の自由について保障しているところ、それにもかかわらず、これを不当に侵害する行為を私人が行った場合には、その行為は、民法90条公序良俗に反するものとして無効となると考えるべきである。

(2) 本件において、Y1,Y2らは、Xらに政治献金のための金銭的負担を課しているところ、Xらはしたくもない政党への金銭的支出を事実上強制されているものということができる。それゆえ、本件政治献金行為は、Xらの思想良心の自由を不当に侵害するものであるということができないかが問題となる。

 もっとも、株式会社の場合は強制加入団体とは異なり株式を譲渡することで会社から脱退することができる。他方で、上記の通り、会社も政治資金の寄付をする自由を有している。以上に鑑みれば、本件政治献金により、その構成員であるXらの政治的信条の自由は、不当に侵害されているということはできないと考えるべきである。

(3) よって、本件政治献金公序良俗に反するとはいえないため、有効である。

3( ③について

当該政治献金が法令の範囲内であっても、不当な目的で政治献金をすることや、当該政治献金の必要性や会社の資産・収益状態等に鑑みて不相当な額の献金をすることは、取締役の善管注意義務・忠実義務に反すると解する。もっとも、本件政治献金を行うにつき不当な目的があったとの事情は見受けられない。また、会社が行った政治献金の総額は政治資金規制法による制限内であり、不相当な額とはいえない。したがって、取締役 Y の善管注意義務・忠実義務違反はないというべきである。

4) 結論

 以上より、Y1,2らの任務懈怠責任の問題は生じない。