○○法ガールになりたい。

○○法ガールといえるほど法学をマスターしたいなと思い作成したブログ。司法試験受験生。最近勉強なんてやめて結婚に逃げたい。

百選起案 憲法(7版) 21~24

 

百選21 どぶろく事件

1 意見の要旨

 酒税法7条1項・54条は、自己消費目的の酒類製造の自由(憲法13条後段)を侵害するものではなく、また、これを適用してXを起訴したこともXの同自由を侵害するものではないため合憲である。

2 権利保障

 憲法13条後段は、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」を保障しているところ、具体的には、人間の人格的生存に不可欠な権利を保障しているものと解される。

 そして、一般に社会に流通し容易に購入することができる物であっても、その物に対する何らかのこだわりをもってそれを作ること、或いはそれを作ること自体に一定の価値を見出す者がそれを作ることは、個人の生き方、ライフスタイルに根差したものであるといえる。それゆえ、ある物を作る自由、とりわけ、自己消費目的の酒類製造の自由も、個人の人格的生存に不可欠なものとして、同条項によって保障されるものと解される。

3 制約

 それにもかかわらず、「酒税法7条1項および54条1項は……製造目的のいかんを問わず、酒類製造を一律に免許の対象とした上、免許を受けないで酒類を製造した者を処罰することとし」ており、広く国民の自己消費目的の酒類製造の自由を制約している。

また、これらの規定を適用することによって、具体的に、Xの、「自己消費目的の酒類製造の自由が制約され」ているともいえる。

4 正当化

 もっとも、租税法の定立は、「立法府の政策的、技術的な判断にゆだねるほかない」ものであり、上記のような国民の自由を制約する法律であっても、そのような「規制が立法府裁量権を逸脱し、著しく不合理であることが明白である」場合でなければ、その法律は、「13条」後段「に違反するもの」とはされないと考えるべきである。これを酒税法7条及び54条1項について見るに、「自己消費を目的とする酒類製造であっても、これを放任するときは酒税収入の減少など酒税の徴収確保に支障を生じる事態が予想される」ために、これを、「国の重要な財政収入である酒税の徴収を確保するため」制限する立法を定立することは、「立法府の裁量を逸脱し、著しく不合理であることが明白である」とまではいえない。それゆえ、酒税法7条1項及び54条1項の規定は憲法13条後段に反するものではない。

 また、これをXに適用することとした判断にも、裁量の逸脱・濫用はないといえるため、Xに上記規定を適用しXを起訴したことも、憲法13条後段に反するものとはいえない。

5 結論

 よって、酒税法7条1項・54条は憲法13条後段に反するものではなく合憲であり、また、本件のXの起訴も、同様、合憲である。

 

百選22 校則によるバイク制限

1 意見の要旨

 学校法人Yによる、Xに対する自主退学勧告は、憲法13条後段には反さず、また、不法行為(民法709条)に該当するものでもない。

2 憲法13条後段と民法709条の規定の関係

 ここで、憲法13条後段は、直接私人間の関係を規律するものではない。それ故、本件自主退学勧告が憲法13条後段違反の問題を生じさせることはない。

 もっとも、憲法13条後段によって保障される権利ないし自由が侵害された場合には、民法709条といった規定が私人間を規律することになる。すなわち、憲法13条後段によって保障される権利ないし自由は民法709条にいう「権利」ないし「法律上保護される利益」に該当し、この「侵害」が認められる場合には、不法行為が成立する、という形で私人間は規律されることになる。

3 自主退学勧告の不法行為(民法709条)該当性について

(1) 権利保障

 ここで、憲法13条後段は、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」を保障しているところ、具体的には、人間の人格的生存に不可欠な権利を保障しているものと解される。

 そして、バイクに対して一定の価値を見出す者にとって、バイクの免許を取り、バイクを購入し、運転することは、個人の生き方、ライフスタイルに根差したものであるといえるから、バイクの免許を取り、バイクを購入したうえで、これを運転する自由は、個人の人格的生存に不可欠なものとして、同条項によって保障されるものと解される。そして、これは、民法709条にいう「法律上保護される利益」に該当する。

(2) 「侵害」

ア もっとも、私立であっても、上記の通り、高校は、生徒を規律する包括的権能を有するのであって、高校長には生徒の懲戒処分につき裁量が認められるものといえる。それゆえ、生徒に懲戒を加えるにあたっては教育上必要な配慮をしなければならず(学校教育法施行規則36条1項)、殊に懲戒処分に準じる重い処分である自主退学勧告をするには特に慎重な配慮が必要であるとしても、それが社会通念上合理性を欠くものといえない限り、本件の自主退学勧告は、Xの上記「法律上保護される利益」を違法に「侵害」するものと評価されることはないものと考えるべきである。

イ 本件自主退学勧告は、いわゆる三ない原則に基づくものである。そこで、まず、いわゆる三ない原則の有効性について検討する。

 これについて、私立であっても、高校は、生徒を規律する包括的権能を有するのであり、建学の精神に基づく独自の伝統ないし校風と教育方針を実践することが当然認められるべきであるから、一定の教育方針を掲げる高校が、そのような教育方針に基づき、一定の校則を設けることも当然許容されうるのであって、そのような校則は、それが社会通念上妥当性を欠くと認められない限り、有効であると解されるところ、三ない原則は、バイク事故により生徒の身体・生命が危険にさらされる可能性が否定できないだけでなく、第三者に危害を与えることで生徒自身不法行為責任や刑事責任等の責任を負いかねないこと、そしてこれは、教育上好ましくないということ等に鑑みれば、むしろ合理的である。

 それゆえ、いわゆる三ない原則は有効というべきであり、この校則に基づく本件自主退学勧告を、直ちに合理性を欠くものと評価することはできない。

ウ そこで、具体的状況に照らして、本件自主退学勧告は、社会通念上合理性を欠くものといえるかが問題となるも、当該行為の態様、結果の軽重、原告の関与の程度、Xの反省状況(Xは明確な反省の態度を示さなかった)、家庭の協力(Xの母親は、学校の指導方針と真向から対立し、将来家庭の協力を得て学校の方針どおりXを指導することは不可能といえる状況であった)などと総合すると、本件自主退学勧告はやむを得ないところであって、社会通念上合理性を欠くものであるとは言い難い。

(3) 以上より、Yによる自主退学勧告は、Xの上記「法律上保護される利益」を違法に「侵害」するものであるとは言えず、よって、不法行為は成立しないものというべきである。

4 結論

 よって、学校法人Yによる、Xに対する自主退学勧告は、憲法13条後段には反さず、また、不法行為(民法709条)に該当するものでもない。

 

百選23 エホバの証人輸血拒否事件

1 意見の要旨

 Cが、Aへの輸血を強行したことは、憲法13条後段違反の問題を生じさせるものとはいえないが、Aの自己決定権(憲法13条後段)という「法律上保護される利益」を侵害するものであり、Cのこの行為には、不法行為(民法709条)が成立する。

2 憲法13条後段と民法709条との関係

 憲法13条後段の規定は、直接私人間の関係を規律するものではない。それ故、上記Cの行為が、憲法13条後段違反の問題を生じさせることはない。

もっとも、憲法13条後段によって保障される権利ないし自由が侵害された場合には、民法709条といった規定が私人間を規律することになる。すなわち、憲法13条後段によって保障される権利ないし自由は民法709条にいう「権利」ないし「法律上保護される利益」に該当し、この「侵害」が認められる場合には、不法行為が成立することになる。

3 Cによる輸血の強行が、不法行為を構成するかについて

(1) 権利保障

 ここで、憲法13条後段は、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」を保障しているところ、具体的には、人間の人格的生存に不可欠な権利を保障しているものと解される。

 そして、個人が輸血を受けるかどうか決定することは、その者の宗教上の信念にも関連する、まさに、個人の人格的生存に不可欠なものであるといえるから、個人が輸血を受けるか否か自由に意思決定する権利は、自己決定権として、同条項によって保障されるものと解される。

(2) 「侵害」

 確かに、医師が患者に「医療水準に従った相当な手術をしようとすることは、人の生命及び健康を管理すべき業務に従事する者として当然のことであるということができる」が、「患者が、輸血を受けることは自己の宗教上の信念に反するとして、輸血を伴う医療行為を拒否するとの明確な意思を有している場合、このような意思決定をする権利は」上記の通り憲法13条後段によって保障される権利であるのであって、「人格権の一内容として尊重されなければならない」。

 それゆえ、患者が「宗教上の信念からいかなる場合にも輸血を受けることは拒否するとの固い意思を有して」いる場合には、医師が、「手術の際に輸血以外には救命手段がない事態が生ずる可能性を否定し難い」にしても、患者に、「そのような事態に至ったときには輸血するとの方針を採っていることを」適切に説明し、それでも「手術を受けるか否かを」患者「自身の意思決定にゆだねるべきであ」り、それにもかかわらず、これがなされないまま輸血が強行されたのであれば、そのような意思による強行は、患者の上記「法律上保護される利益」を違法に侵害するものであるということができる。

本件においては、宗教上の信念からいかなる場合にも輸血を受けることを拒否するとの固い意思を有していたAに対して、医師Cは、上記のような説明を適切に行わず、手術につきAに自由な意思決定を保障しないまま、輸血を強行している。

 よって、Cによる輸血の強行は、Aの「法律上保護される利益」を違法に侵害するものであるといえる。

(3) その他

 また、これに「よって」、本件においてはAに慰謝料等の「損害」が生じているといえ、さらに、Cには少なくとも「過失」があったものということもできる。

4 結論

 よって、Cが、Aへの輸血を強行したことは、憲法13条後段違反の問題を生じさせるものとはいえないが、Aの自己決定権(憲法13条後段)という「法律上保護される利益」を侵害するものであり、Cのこの行為には、不法行為(民法709条)が成立する。

 

百選24 大阪空港公害訴訟

(省略)

 

A3 プラカード事件

(省略)

 

A4 被拘禁者の喫煙の自由

1 意見の要旨

 旧監獄法施行規則96条(以下「本件規定」という。)は、喫煙の自由(憲法13条後段)を侵害するものとはいえず、よって、これに基づきXの喫煙を禁止したことも、Xの同自由を侵害するものとは言えない。

2 権利保障

 憲法13条後段は、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」を保障しているところ、具体的には、法的保護に値する、国民の私生活上の自由が、警察権等の国家権力の行使に対しても保護されるべきことを規定しているものということができる。

 確かに、煙草は生活必需品とまでは断じがたく、ある程度普及率の高い嗜好品にすぎない。しかし、喫煙者は毎日習慣的に喫煙していることが多く、特に、愛煙家にとって、喫煙は私生活の一部になっているといえるから、喫煙の自由は、私生活上の自由として、法的保護に値するものといえ、よって、上記自由は、13条後段によって保障されているというべきである。

 そして、拘禁者であるXも、当然、この自由を享受するものである。

3 制約

 それにもかかわらず、本件規定は、拘禁者の喫煙を制限することで、拘禁者の上記自由を制約している。また、本件規定に基づきXの禁煙が禁止されることにより、Xの同自由が制約されているといえる。

4 正当化

(1) 法令違憲の検討

 もっとも、煙草はある程度普及率の高い嗜好品にすぎず、喫煙の禁止は、煙草の愛好者に対しては相当の精神的苦痛を感ぜしめるとしても、それが人体に直接障害を与えるものではないから、本件自由は、相対的に重要度の低い権利であるといえる。また、未決勾留は、刑事訴訟法に基づき、逃亡又は罪証隠滅の防止を目的として、被疑者又は被告人の居住を監獄内に限定するものであるところ、監獄内においては、多数の被拘禁者を収容し、これを集団として管理するにあたり、その秩序を維持し、正常な状態を維持保持するよう配慮する必要がある。

 もっとも、未決勾留者は、原則として一般市民としての自由を保障される者であることに鑑みれば、被拘禁者の上記自由を制約する法律については、正当な目的に基づく必要かつ合理的なものであるといえる場合に限り、憲法13条後段には反しないとすべきであり、具体的に、上記の制限が必要かつ合理的なものであるかどうかは、制限の必要性の程度と、そのために被拘禁者に加えられる制限の程度・態様等を較量したうえで決すべきである。

 これを本件についてみると、監獄の現在の施設及び管理態勢のもとにおいては、喫煙に伴う火気の使用に起因する火災発生のおそれは少なくない。また、喫煙の自由を認めることにより通謀のおそれがあり、監獄内の秩序の維持にも支障をきたす。そうすると、喫煙を許すことにより、罪証隱滅のおそれがある。さらに、火災発生の場合には被拘禁者の逃亡が予想され、かくては、直接拘禁の本質的目的を達することができないことは明らかである。のみならず、被拘禁者の集団内における火災が人道上重大な結果を発生せしめることはいうまでもない。

 他面、上記のとおり、煙草は生活必需品とまでは断じがたく、ある程度普及率の高い嗜好品にすぎない。また、喫煙の禁止は、煙草の愛好者に対しては相当の精神的苦痛を感ぜしめるとしても、それが人体に直接障害を与えるものではない。そうすると、喫煙の自由は、13条後段の保障する基本的人権の一に含まれるとしても、あらゆる時、所において保障されなければならないものではない。

 したがって、本件規定は、必要かつ合理的なものであるといえる。

 よって、本件規定は、本件自由を侵害するものではなく、「この憲法…の条規に反する…命令」ではない。

(2) 適用違憲の検討

 そうである以上、本件規定に基づく、Xの喫煙の禁止は、Xの上記自由を侵害するものではない。

4 結論

 よって、本件規定96条は、喫煙の自由(憲法13条後段)を侵害するものとはいえず、これに基づきXの喫煙を禁止したことも、Xの同自由を侵害するものとは言えない。

 

A5 公立中学校における髪型の規制

1 意見の要旨

 公立中学校が、男子生徒であるXに対して、本件校則に従うことを強制したことは、憲法14条、31条、21条に反さない。

2 憲法14条違反の検討

(1) 憲法14条が許容する別異取り扱いの範囲について

 「法の下の平等」を定める憲法14条1項は、事柄の性質に応じた合理的な理由がない限り、差別的取り扱いを禁止する趣旨である。したがって、別異取り扱いが合理性を有する限り同項に違反するものではない。

(2) 具体的検討

 これを本件について見るに、もともと、「校則は」、各中学校の教育方針等に基づき、「各中学校において独自に判断して定められるべきもの」であることからすれば、住居地により別異取扱いを受けたとしても、校則自体が社会通念上著しく不合理であるといえない限り、そのような校則及びこれに基づく別異取扱いは合理的なものであるといえるところ、本件においては、校則自体が社会通念上著しく不合理であるといった事情は見受けられない。

 また、「男性と女性とでは髪型について異なる慣習があ」ることに照らせば、男性と女性とで髪型につき別異に取り扱う校則及びこれに基づく別異取扱いは合理的なものであるといえる。

(3) 結論

よって、本件校則及びこれに従うことをXに強制したことは、憲法14条に反さない。

3 憲法31条違反の検討

(1) 憲法31条は、自由に対する侵害は、その根拠となる有効な法律に基づき、適正な手続のもと、なされなければならないものとしている。

(2) もっとも、本件校則違反の効果として「強制的に頭髪を切除する旨の規定はなく」、そうすることも予定していなかった以上は、同条違反はないというべきである。それ故、本件校則に従うことをXに事実上強制したとしても、同条違反はないというべきである。

4 憲法21条違反の検討

(1) 憲法21条は、表現の自由を保障している。

(2) もっとも、「中学生において髪型が思想等の表現であるとみられる場合は極めて稀有である」のであって、染髪行為は、一般に、中学生にとって表現行為であるとは言えない。

 また、Xにとっても同様と解すべきである。

(3) そうである以上、染髪を禁止した校則は同条項に反するものではないし、これに基づきXの洗髪行為を禁止したことも、同条項には反さない。

5 結論

 よって、公立中学校が、男子生徒であるXに対して、本件校則に従うことを強制したことは、憲法14条、31条、21条に反さない。

 

A6 日曜日授業参観事件

1 意見の要旨

 本件の宗教的理由に基づく日曜日授業欠席の指導要録記録の記載は、Xの信教の自由(憲法20条1項)を侵害するものではなく、よって、国家賠償法上の責任の問題は生じない。

2 権利保障

 憲法20条1項は、「信教の自由」を保障している。

3 学校長の裁量と、国家賠償法の「過失」ないし「違法」

(1) 学校に通う生徒にも信教の自由は保障されている以上、学校の側は、生徒の信教の自由に配慮する義務を負っているものといえる。

 もっとも、学校管理運営上、学校長の側には、その運営につき、裁量が認められる。そのため、右裁量権の範囲を逸脱し、濫用した場合に限り、学校側の措置は、生徒の信教の自由を侵害するものと評価されるべきであり、このような場合に限り、国家賠償法上の「過失」ないし「違法」があったと認められるものと考えられる。

(2) 本件においては、宗教集会人授業日の抵触は「随所に起こるもの」であり、「公教育の授業日に出席することを免除する……ということでは、……公教育の宗教的中立性を保つ」ことができないため、本件記載は「合理的根拠に基づくやむを得ない制約」であるといえる。それゆえ、学校長に裁量権の範囲の逸脱や濫用はなかったものといえる。

(3) よって、学校側の上記記載の措置は、Xの信教の自由を侵害するものではなく、よって、本件においては、国家賠償法上の「過失」ないし「違法」は認められない。

4 結論

 以上より、本件の学校側の指導要録記録の記載は、Xの信教の自由(憲法20条1項)を侵害するものではなく、よって、国家賠償法上の責任の問題は生じない。